胸椎の痛みや肩甲骨の間、背中の真ん中が痛む原因を解説します。姿勢や筋肉との関係、自宅でできるストレッチ、圧迫骨折や神経症状など注意したい病気、整形外科を受診する目安も紹介します。
「肩甲骨の間がズキズキする」「背骨の真ん中を押すと痛い」「身体をひねると背中に痛みが走る」と悩んでいませんか。
首と腰の間にある背骨を胸椎と呼びます。胸椎周辺の痛みには、デスクワークによる筋肉の緊張や身体の使い過ぎだけでなく、骨・関節・神経、内臓の病気なども関係することがあります。
この記事では、胸椎の痛みで考えられる原因、自分で確認したいポイント、痛みが軽い場合のセルフケア、医療機関を受診する目安について解説します。
1、胸椎の痛みとはどのような症状?
胸椎は首の下から腰の上まで続く背骨です。肩甲骨の間や背中の真ん中に痛みを感じても、必ずしも胸椎そのものが傷んでいるとは限りません。
1:胸椎は肋骨とつながっている
背骨は、首にある頚椎、胸の高さにある胸椎、腰にある腰椎などに分かれています。胸椎は12個の椎骨から構成され、それぞれが肋骨とつながっています。
身体をひねる、胸を張る、深呼吸するといった動作では、胸椎だけでなく肋骨や周囲の筋肉も一緒に動きます。そのため、胸椎周辺の痛みにはさまざまな組織が関係します。
2:肩甲骨の間や背中の中央に痛みが出る
胸椎周辺の痛みは、肩甲骨の間、背骨の中央、肋骨に沿った場所などに現れます。
重い、張る、ズキズキする、刺すように痛むなど、感じ方も人によって異なります。身体をひねったときだけ痛む場合もあれば、安静にしていても痛みが続く場合もあります。
3:背骨ではなく筋肉が痛む場合もある
胸椎の周囲には、脊柱起立筋、僧帽筋、菱形筋などの筋肉があります。また、肩甲骨や肋骨を動かす筋肉も重なっています。
背骨の近くが痛くても、長時間同じ姿勢を続けたことによる筋肉の緊張や、運動・仕事による使い過ぎが関係している可能性があります。痛む場所だけで原因を判断しないことが大切です。
#胸椎 #胸椎の痛み #背中の痛み #肩甲骨の間 #背骨の痛み
2、胸椎周辺が痛くなる主な原因
胸椎周辺の痛みは、日常的な負担によって起こることもあれば、検査や治療が必要な病気によって起こることもあります。
1:長時間の姿勢や筋肉の使い過ぎ
パソコンやスマートフォンを長時間使用していると、頭が前に出て背中を丸めた姿勢になりやすくなります。
同じ姿勢が続くと、肩甲骨の間や胸椎周辺の筋肉が緊張し、重だるさや動かしたときの痛みにつながる場合があります。
重い荷物を持った、スポーツで強く身体をひねった、普段行わない作業をしたあとに痛みが出た場合は、筋肉や靱帯に負担がかかった可能性があります。
2:骨・関節・椎間板の問題
胸椎を構成する関節や椎間板が刺激されると、背中の中央や肋骨に沿って痛みが現れることがあります。
また、骨粗しょう症がある人では、転倒などの大きな衝撃がなくても脊椎圧迫骨折が起こることがあります。高齢者、骨粗しょう症を指摘されている人、ステロイド薬を長期間使用している人が突然強い痛みを感じた場合は注意が必要です。
胸椎椎間板ヘルニアでは、背中の痛みよりも、脚のしびれ、足のもつれ、筋力低下などで気づくことがあります。日本整形外科学会
3:神経や内臓の病気
神経が刺激されると、背中から脇腹や胸にかけて帯状に痛むことがあります。皮膚のピリピリ感や発疹を伴う場合は、帯状疱疹なども考えられます。
心臓、肺、血管、胃腸、胆のうなどの病気でも、背中に痛みを感じることがあります。姿勢を変えても痛みが変わらず、胸痛、息苦しさ、吐き気、冷や汗などを伴う場合は、筋肉痛と自己判断してはいけません。
#胸椎ヘルニア #圧迫骨折 #筋肉疲労 #猫背 #背中の神経痛
3、胸椎の痛みを確認するときのポイント
セルフチェックだけで病名を診断することはできませんが、どのような動作で症状が変わるのかを把握すると、受診時に状態を伝えやすくなります。
1:動作によって痛みが変化するか
身体をひねる、反らす、腕を上げる、深呼吸するなどの動作で痛みが変わるか確認します。
特定の動きで痛みが出る場合は、筋肉、肋骨、関節などの動きが関係している可能性があります。ただし、深呼吸で強く痛む場合は肺や胸膜などが関係することもあるため、息苦しさや発熱がないかも確認しましょう。
2:しびれや歩行の変化がないか
胸椎周辺には脊髄が通っています。胸やお腹に帯状のしびれがある、脚に力が入りにくい、足がもつれる、階段で不安定になるといった変化がある場合は注意が必要です。
排尿しにくい、尿が残る感じがする、尿や便を漏らすなどの症状も、神経の圧迫によって現れることがあります。該当する場合はセルフケアを行わず、速やかに整形外科を受診してください。
3:痛み以外の症状がないか
次の症状がないか確認しましょう。
-
胸の痛みや圧迫感
-
息苦しさや呼吸困難
-
冷や汗、吐き気、めまい
-
発熱や強い倦怠感
-
皮膚の発疹や水ぶくれ
-
原因の分からない体重減少
-
安静時や夜間にも続く強い痛み
動作と関係なく症状が続く場合や、複数の症状が同時に現れた場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
#胸椎セルフチェック #背中のしびれ #足のもつれ #胸の痛み #受診の目安
4、胸椎の痛みが軽いときのセルフケア
姿勢や使い過ぎが原因と考えられる軽い痛みで、危険な症状がない場合は、日常生活を調整しながら優しく身体を動かします。
1:同じ姿勢を避けて無理なく動く
痛みが強くなる作業や運動はいったん控えますが、一日中寝たままで過ごす必要はありません。痛みが増えない範囲で日常生活を続け、こまめに姿勢を変えましょう。
筋肉の張りには、蒸しタオルや入浴で温めると楽になる場合があります。負傷直後で腫れや熱感がある場合は、タオル越しに短時間冷やす方法もあります。どちらも心地よい範囲にとどめてください。
2:椅子を使って胸を軽く開く
椅子へ深く座り、背もたれを肩甲骨の下あたりへ当てます。両手を頭の後ろへ添え、息を吐きながら上半身をゆっくり後ろへ倒します。
腰を大きく反らすのではなく、胸の高さを優しく伸ばすことがポイントです。5秒程度保って元へ戻し、3~5回行います。
鋭い痛み、しびれ、吐き気、めまいが出た場合はすぐに中止してください。
3:横向きで胸椎をひねる
横向きに寝て、股関節と膝を軽く曲げます。両腕を身体の前で重ね、上側の腕を後ろへゆっくり開きます。
膝が大きく浮かない範囲で、胸から身体をひねります。呼吸を止めずに左右3~5回ずつ行いましょう。
強く反動をつけたり、誰かに背中を押してもらったりする必要はありません。痛みが強い時期や骨折が疑われる場合には行わないでください。
#胸椎ストレッチ #背中ストレッチ #姿勢改善 #セルフケア #胸郭運動
5、胸椎の痛みに関するよくある疑問
胸椎の痛みには幅広い原因があるため、痛みの場所だけで判断せず、症状の経過や身体全体の変化を確認することが重要です。
1:背骨を押すと痛い場合はマッサージしてもよいですか?
押したときに強く痛む場所を、繰り返し強く揉むことは避けましょう。筋肉の緊張ではなく、関節、靱帯、肋骨、骨折などが関係している可能性もあります。
背骨の一点に強い痛みがある、軽く触れても痛い、痛みが悪化している場合は、マッサージや矯正を受ける前に整形外科で確認することをおすすめします。
2:胸椎の痛みは何科を受診すればよいですか?
身体を動かしたときの痛み、背骨周辺の圧痛、脚のしびれや歩行の変化がある場合は整形外科が基本です。
発熱、咳、腹痛、吐き気、食欲不振、排尿時の痛みなどを伴う場合は内科へ相談します。胸の圧迫感や息苦しさなど、緊急性のある症状があれば救急要請を検討してください。
3:すぐに病院へ行くべき症状はありますか?
次のような場合は、早急に医療機関を受診してください。
-
転倒や事故のあとから強く痛む
-
脚の力が急に入りにくくなった
-
歩けない、足がもつれる
-
胸から下の感覚がおかしい
-
排尿・排便の異常がある
-
発熱や悪寒を伴う
-
骨粗しょう症があり、突然強く痛み始めた
-
胸痛、呼吸困難、冷や汗、吐き気を伴う
-
安静にしても強く、急速に悪化している
一般的な背中の痛みでも、発熱、外傷、筋力低下、しびれ、排尿・排便障害などを伴う場合は、速やかな診察が必要とされています。Mayo Clinic
胸椎の痛みを予防するには、完璧な姿勢を保ち続けることより、同じ姿勢を長時間続けないことが大切です。こまめに身体を動かし、痛みなく歩ける状態を維持することは、亡くなるその日まで自分の足で歩き、家族と笑顔で過ごす身体づくりにもつながります。
#整形外科 #背中の痛み対策 #胸椎の病気 #危険な背中の痛み #健康寿命
参考記事
https://rehasaku.net/magazine/back/back-spine-pain/
医療情報の確認:
日本整形外科学会「胸椎椎間板ヘルニア」
Mayo Clinic「Back pain」
※本記事は一般的な健康情報をまとめたものであり、病気の診断や治療を目的とするものではありません。









